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STATCOM - SVC Light®

自励式無効電力補償装置 (STATCOM) – SVC Light®

電気的負荷は無効電力を供給または吸収します。送電負荷は時間によって大きく変動することが多く、系統内の無効電力バランスも変動します。その結果、電圧降下や電圧崩壊など、許容できない電圧振幅の変動が発生することがあります。

STATCOMは、SVC(静止型無効電力補償装置)と同様に、電圧の過渡現象に応じて、瞬時にかつ連続的に可変の無効電力を供給し、系統電圧の安定性をサポートします。STATCOMは、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やIGCT(集積化ゲート転流型サイリスタ)といったハイパワー半導体の独自のスイッチングを組み合わせた電圧源の原理で動作し、これらの強力なコンポーネントを使用することで、STATCOMの設置面積は非常に小さくなります。当社はこの高性能STATCOMを「SVC Light®」としてブランド化しました。

STATCOMを系統の適切な位置に1箇所以上設置することで、電圧安定性を高め、異なる系統下でも平滑に電圧プロファイルを維持することで、電力送電能力を向上させることができます。また、STATCOMは、製鉄などの重工業における電力品質の改善も可能にします。

SVC Light®の技術

SVC Light®は、高圧直流送電(HVDC)「HVDC Light®」にも使用されている技術プラットフォームをベースにしています。最も重要なコンポーネントはモジュール型の電圧形変換装置(VSC)で、スイッチングを行う強力な半導体を搭載しています。SVC Lightは、最大69 kVのシステム電圧と-/+ 400 Mvarを超えるコンバータ定格で利用できます。それ以上の電圧では、SVC Lightを系統に接続するために降圧トランスが使用されます。また、STATCOMは対称的な動作範囲を提供するため、非対称動作範囲が要求される場合には性能を最適化するために、サイリスタ開閉方式のリアクトルやコンデンサとの並列運転によるハイブリッド・ソリューションの提供も可能です。

SVC Light®の原理

SVC Lightは、モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC)をベースとした電圧形変換装置(VSC)を使用し、電力系統への適用を主眼として開発されたSTATCOMです。SVC Lightは、系統にリアクトルを介して接続される電圧源と考えることができ、この自励式変換装置からの出力電圧を制御することにより無効電力を供給・吸収するため、外部コンデンサやリアクトルの設置が不要です。 また、系統電圧の変動の影響をほとんど受けずに無効電力の出力が可能であり、かつ高い動的応答性を有しています。

たとえば、脆弱な送電網をサポートし、さまざまな系統条件下において大規模な風力発電所のパフォーマンスを向上させる場合や、夏季重負荷時における送電網のパフォーマンスを向上させる場合に有効です。

また、SVCLightは、優れた出力特性、応答速度を持ち、高速鉄道システムや重工業プラントにおける非対称負荷の電圧平衡化や、電気アーク炉によって発生する電圧フリッカーの軽減、およびアクティブ高調波フィルタリングにも適用されます。

パワー半導体(IGBT/IGCT)は、SVC Lightの主要コンポーネントです。マルチレベルチェーンリンクソリューションは、フルブリッジモジュールを互いに直列に接続してVSCのアームを形成することにより構築されます。図1aは4つのIGBTを搭載した1つのHブリッジ、図1bは4つのフルブリッジモジュールが3つのアームをそれぞれ構成している状態、 図2には、4個ずつ2段積みにしたモジュール型フルブリッジの写真を示します。IGBT弁の小型化、無効電力供給・吸収のための物理的なキャパシタやリアクトルの分岐がないこと、高調波フィルタがほとんど必要ないことから、SVCライトは非常にコンパクトに配置することが可能です。

図1:マルチレベル・チェーンリンク・コンバータの設定
図2:モジュール型フルブリッジユニット
power plant engineer for substation

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