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Press Release Zurich, Switzerland 16-02-2021

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日立ABBパワーグリッド社が、世界最大のドッガーバンク洋上風力発電所向け 自励式HVDCシステムを受注

先進的なHVDC Light®技術により、英国のグリーンエネルギーへの転換と脱炭素化を支援

日立ABBパワーグリッド社(CEO:Claudio Facchin(クラウディオ・ファキン))は、このたび、世界最大の洋上風力発電所ドッガーバンクウィンドファーム向け高圧直流送電(HVDC)システムを受注しました。本受注は、当社の自励式HVDCシステム「HVDC Light®」を使用し、北海上と英国本土に設置する2つのHVDC変換所の設計、エンジニアリング、試運転を含みます。当社は、本システムの提供を通じて、英国の洋上風力発電の導入拡大と脱炭素化に向けた取り組みを支援します。

 

ドッガーバンクウィンドファームは、英国エネルギー大手SSE plcグループ傘下の再生可能エネルギー事業者であるSSEリニューアブルズ社と、ノルウェーの石油会社エクイノール社の合弁による世界最大の洋上風力発電所プロジェクトで、ドッガーバンクA、B、Cの3か所の発電所で構成されています。2026年の完成に向けて英国本土から約130km北東の北海に建設中で、完成後は英国の電力需要の約5%に相当する、600万世帯に電力供給が可能な3.6GWの発電設備容量となります*1

 

今回、当社は、2019年に受注したドッガーバンクA、B発電所向けのHVDCシステムに続き、ドッガーバンクC発電所向けのHVDCシステムを受注しました。本プロジェクトで使用する最新の「HVDC Light®」は、業界最高水準のコンパクトな設計と電力変換効率により、システムのライフタイムにおけるCO2排出量を従来と比較して約3分の2に減らすことが可能*2です。当社は、本システムの提供により、遠方の洋上風力発電所から陸上の送電網への効率的な送電と大規模な連系を可能にするとともに、英国が掲げる2030年までに最大40GWの洋上風力発電容量の調達とCO2排出量の68%削減*3という脱炭素化に向けた目標の達成に貢献します。

 

日立ABBパワーグリッド社グリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるNiklas Persson(ニクラス・パーソン)は、「当社の世界をリードする専門知識と技術力により、お客さまの信頼を獲得できたことが、今回の受注に繋がったと認識しています。HVDC技術は、大規模かつ遠方の再生可能エネルギーの連系を可能にすることで、カーボンニュートラルの実現に大きく貢献するものであり、当社は、お客さまやパートナーと共に、エネルギー転換を加速させる上で重要な役割を果たしています。」と述べています。

 

ドッガーバンクウィンドファームのプロジェクトディレクターであるSteve Wilson(スティーブ・ウィルソン)は、「ドッガーバンクウィンドファームの3つの発電所すべてで日立ABBパワーグリッド社と協力することで、設計、調達、建設工事を効率的に実施できます。加えて、世界トップレベルのHVDC技術の活用により、英国の600万世帯に効率的かつ信頼性の高い電力供給が可能となります。」と述べています。

 

エクイノール社のドッガーバンク担当役員であるHalfdan Brustad(ハルダン・ブルスタッド)は、「HVDC技術は、海岸から遠く離れた洋上風力発電に適したソリューションです。ドッガーバンクウィンドファームは、英国で初めてHVDC技術を活用する洋上風力発電所であり、新しい市場と機会の到来を象徴しています。日立ABBパワーグリッド社は、高度な専門知識により、ドッガーバンクウィンドファームの完成に貢献するでしょう。」と述べています。

 

* 1 2026年の完成後、ドッガーバンクウィンドファームの各発電所では、年間6TWh、合計18TWhの再生可能エネルギーを供給することができます。これは英国の需要の約5%、600万世帯の電力需要に相当します。

* 2 ISO規格に沿ったライフサイクルアセスメントに基づく調査結果

* 3 1990年比



■HVDC技術について

日立ABBパワーグリッド社は、65年以上前にHVDC技術を開発しました。世界中のHVDCプロジェクトの半数以上を納入しており、北海の洋上風力グリッド接続プロジェクトDolWin(ドルウィン)1、2やBorWin(ボーウィン)1、シェトランド諸島を英国の送電ネットワークに接続するプロジェクトへシステムを提供しています。

HVDC Light®は、電圧源コンバータ(VSC*4)技術に基づいて開発された、交流電流に対する代替手段であり、より高効率で、より長距離にわたって、より低い電力損失で大量の電力を送電することが可能です。また、電圧と周波数が異なる電力網間においても安全かつ安定した送電が可能であり、洋上風力発電所や交流電力網の相互接続・強化など、再生可能エネルギーの連系に適した技術となっています。さらに、当社のHVDC Light®は、停電時に迅速な電力復旧を行うブラックスタート機能を備えています。

HVDC技術は、クリーンエネルギーへの転換を可能にする重要な技術として認識されており、「すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」という国連の持続可能な開発目標(SDGs)*5の目標7の達成に貢献します。

 

* 4 VSC:Voltage Sourced Converter

* 5 SDGs:Sustainable Development Goals

https://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html

 

■ドッガーバンクウィンドファームについて

ドッガーバンクウィンドファームは、ドッガーバンクA、B、Cの3つ発電所で構成されており、2026年の完成時には世界最大の洋上風力発電所となる予定です。SSEリニューアブルズ社は、ドッガーバンクウィンドファームの開発と建設のリードオペレーターを務め、エクイノール社は風力発電所の運転期間中、リードオペレーターを務めます。

ドッガーバンクAとBは、2021年初頭に予定されている合弁事業への参入に向けたEni社*6の合意について、規制当局等の承認が得られた場合、SSEリニューアブルズ社(40%)、エクイノール社(40%)、Eni社(20%)の合弁事業となります。また、ドッガーバンクCは、SSEリニューアブルズ社とエクイノール社の50:50の合弁事業です。

 

* 6 イタリアのエネルギー企業。Eni社は、脱炭素製品の生産・販売を通じたグローバルリーダーをめざしています。

 

■日立ABBパワーグリッド社について

日立ABBパワーグリッド社は、日立とABB社で合わせて約250年の歴史を持つグローバルテクノロジーリーダーであり、90カ国で約36,000人の従業員を擁しています。スイス・チューリッヒに本社を置き、エネルギー、インダストリー、インフラ産業のバリューチェーンに加えて、モビリティ、スマートシティ、蓄電やデータセンターなどの新分野にも事業を展開しています。日立ABBパワーグリッド社は、グローバルトップの導入実績やフットプリントを生かし、お客さまの社会的価値、環境価値、経済価値のバランスを向上させます。また、より強じん、よりスマート、よりクリーンなグリッドを実現するためのパートナーとして、革新的なデジタル技術により“Powering Good for Sustainable Energy”を実現していきます。

詳しくは、ウェブサイト(https://hitachienergy.com/jp/ja/)をご覧ください。

 

■日立グループ パワーグリッドポータルサイト

https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/