日立エナジーは、このたび、ノルウェーのエネルギー会社であるエクイノールと、パワーグリッド分野における戦略的協業契約を締結しました。日立エナジーは、1年以内を目標に、エクイノール向けに高圧直流送電(HVDC)および高圧交流送電(HVAC)システムの設計を標準化することで、作業の効率化を図ります。エクイノールは、世界各地における洋上風力発電プロジェクトや、再生可能エネルギープロジェクトなどにおいて、本協業で開発された標準的な設計の適用をめざします。
さらに、今後両社は、本協業の対象範囲をグリッドインテグレーション、グリッドオートメーション、変圧器、高電圧製品における当社の技術・ソリューションにも拡大していきます。これには、HVDCをはじめとした電力品質ソリューション向けのデジタルツインソリューション「IdentiQTM」、モジュール型の空気・ガス絶縁製品シリーズ「Grid-eXpand™」、洋上向け製品群「OceaniQ™」も含まれます。
本協業は、長年にわたる関係を構築してきた両社が、世界的に高まるエネルギー需要を受け、エネルギー転換の加速や、持続可能なエネルギーシステムを推進するという目的をもとに構築されました。本協業を通じて両社は、電化や再生可能エネルギーを通じた低炭素化の取り組みに貢献していきます。
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「世界有数のエネルギー会社であるエクイノールと長年にわたる関係を構築し、2050年までにネットゼロを達成するという同社の目標達成に貢献できることを嬉しく思います。私達は共に、パリ協定の目標を世界が達成し、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速させることを支援します。」 と述べています。
エクイノールのプロジェクト・掘削・調達部門のゲイル・トゥンゲスヴィク担当副社長は、「日立エナジーは長年にわたる当社のサプライヤーです。今回の契約締結は、エネルギー転換において両社の競争力を向上させるという強い意志を示しています。ソリューションの標準化が、成功の鍵となります。当社は、日立エナジーと共に、発展していくことを楽しみにしています。」と述べています。
日立エナジーは、エクイノールへ洋上・陸上において、信頼性の高いソリューションや、先駆的な技術を提供してきました。2002年には、ノルウェー沖の天然ガス生産プラントであるトロールAのフェーズ1および2において、当社の自励式HVDC システム「HVDC Light®」を適用したHVDCシステムを受注し*1、陸上から洋上への高圧直流送電を世界で初めて実現しました*2さらに、英国エネルギー大手SSE plcグループ傘下の再生可能エネルギー事業者であるSSEリニューアブルズとエクイノールの合弁による世界最大の洋上風力発電所プロジェクトであるドッガーバンクウィンドファームにおいて、2019年に受注したドッガーバンクA、B発電所向けのHVDCシステムに続き、昨年、C発電所向けのHVDCシステムを受注しました*3。
*1 参考:Troll A | 日立エナジー (hitachienergy.com) (英語)
*2日立エナジー調べ
*3 2021年2月18日付ニュースリリース「日立ABBパワーグリッド社が、世界最大のドッガーバンク洋上風力発電所向け自励式HVDCシステム
を受注」
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/02/0218a.html
*4 Modular Advanced Control for HVDC (MACH™)制御保護システム