電力インフラは、AIファクトリーを展開するスピードと規模を左右する重要な要素です。2025年にはデータセンターの電力需要が17%増加*2し、AIに特化した施設の電力消費量はさらに急速に伸び、世界全体の電力需要の伸びを大幅に上回りました。AIインフラの展開加速に取り組む事業者には、迅速性、信頼性、拡張性、長期的なレジリエンスに影響を及ぼす重要な設計判断が求められます。
*2 出典:国際エネルギー機関(IEA)「Key Questions on Energy and AI」(2025年)
日立エナジーの新たなシミュレーション機能は、次世代AIファクトリーで高まる電力密度と効率性の要件に対応するため、まず開発が進む800ボルト直流(800 VDC)アーキテクチャを対象としています。新たな配電方式として800 VDCへの関心が高まる中、電力網からサーバーラックまでのシミュレーションにより、大規模展開に先立ってシステムの挙動と性能を事前に評価できます。
本シミュレーションは、日立エナジーとNVIDIAが進める800 VDC AIファクトリーに向けた緊密な協業*3を基盤としています。物理設備の導入前に、さまざまな運転条件、負荷プロファイル、レジリエンスに関するシナリオが、電力網からサーバーラックまでのシステム性能に及ぼす影響を検証できます。NVIDIA Omniverseライブラリを活用した「OpenUSD」に基づくワークフローを活用し、エンジニアリングデータと日立エナジーの電力システムモデルを共通の環境で評価できます。これにより、設計案の比較、前提条件の検証、計画初期段階における、より的確なインフラに関する意思決定を支援します。
*3 日立、次世代AIデータセンター向けに、電力効率を向上する800Vアーキテクチャを構築
日立エナジーの系統・電力品質ソリューションおよびサービス部門責任者のマルコ・ベラルディは、「AIは、コンピューティング上の課題であると同時に、インフラの課題にもなりつつあります。AIファクトリーの規模が拡大する中、電力へのアクセス、電力システムの設計、インフラを迅速に整備する能力の重要性が一段と高まっています。日立エナジーの電化に関する専門知識とNVIDIA Omniverseライブラリを組み合わせることで、お客さまは導入前に、AIファクトリーの電力供給網全体にわたる電力アーキテクチャを評価・最適化でき、電力供給開始までの期間短縮に貢献します」と述べています。